シリーズ | スピリチュアルケアを学ぶ3 |
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編著者 | 窪寺俊之 編著 |
判型 | A5判 |
ページ数 | 217 ページ |
製本 | 並製 |
発行日 | 2013年03月 |
ISBN | 978-4-907113-02-5 C0311 |
定価 | 2,420円(10%税込) |
在庫 | あり |
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内容紹介
本書の副題「生きる希望と尊厳を支える」は、スピリチュアルケアの臨床現場での大きな課題です。第Ⅰ部の3論文は、聖学院大学総合研究所主催の講演をもとにまとめられたものです。林章敏「スピリチュアルコミュニケーション」では、臨床現場を視野に入れた具体的コミュニケーションの問題が、清水哲郎「希望・尊厳・スピリチュアル」では、希望と尊厳を支える基本となる人間のとらえ方が、西平直「無心とスピリチュアリティ」では、スピリチュアルケアを実践するための基本的姿勢(ゼロポイント)がわかりやすくまとめられています。第Ⅱ部に窪寺俊之「スピリチュアルケアと自殺念慮者へのケア」、中井珠恵「医療および看護学のスピリチュアルアセスメントの特徴と問題点」を所収。
編著者プロフィール
窪寺 俊之(くぼでら・としゆき)
聖学院大学人間福祉学部教授(こども心理学科長)、聖学院大学大学院教授(人間福祉学研究科長)。 1939年生まれ。博士(人間科学、大阪大学)。埼玉大学卒業(教育学部)、東京都立大学大学院(臨床心理学)に学ぶ。米国エモリー大学神学部卒(神学)、コロンビア神学大学大学院卒(牧会学)。米国リッチモンド記念病院(ヴァージニア州)と淀川キリスト病院(大阪市)でチャプレン(病院付牧師)。イーストベイ・フリーメソジスト教会牧師(米国、 サンフランシスコ市)。関西学院大学神学部教授を経て現職。日本臨床死生学会理事、スピリチュアルケア学会理事、日本神学会会員、日本福音主義神学会会員、実践神学の会会員、日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団評議員。
林 章敏(はやし・あきとし)
聖路加国際病院緩和ケア科部長。 1963年生まれ。1988年宮崎医科大学医学部(現 宮崎大学医学部)卒業、淀川キリスト教病院にて内科研修。89年淀川キリスト教病院ホスピス医員、英国オックスフォード、マイケルソーベルハウスにて研修を経て、94年淀川キリスト教病院消化器内科医員、95年日本バプテスト病院ホスピス医長、98年日本バプテスト病院ホスピス長、2002年オーストラリア、メルボルンMonash Universityにて研修、03年日本バプテスト連盟医療団訪問診療部長、コメディカル部長等兼務、04年聖路加国際病院緩和ケア科医長、広島大学大学院非常勤講師、東京医科歯科大学講師を兼務。日本緩和医療学会緩和医療専門医、厚生労働省「終末期医療に関する調査等懇談会」委員、日本ホスピス緩和ケア協会理事、日本緩和医療学会代議員 その他。
清水 哲郎(しみず・てつろう)
東京大学大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理センター 上廣(うえひろ)講座特任教授。 1947年生まれ。1969年東京大学理学部天文学科卒業。その後、哲学を志し、東京都立大学、同大学院に進む。1990年文学博士。1977年都立大学助手、80年北海道大学講師、82年助教授、93年東北大学助教授、96年教授などを経て、2007年度より現職。専門分野は中世哲学(言語と論理の哲学を中心に)、キリスト教思想史であった。加えて、80年代後半から、医療の専門家と対話しつつ進める〈医療現場に臨む哲学〉を試み、現在は臨床倫理学と臨床死生学の交差する領域で実践的研究を進め、また、医療から介護へとフィールドを広げつつある。日本医学哲学・倫理学会会長(2008 ~12 年)、第15 回日本臨床死生学会大会長(2009年)をはじめ、日本生命倫理学会、緩和医療学会、日本哲学会、日本倫理学会、中世哲学会で、理事等を歴任。
西平 直(にしひら・ただし)
京都大学大学院教育学研究科教授。 1990年より立教大学文学部専任講師・助教授、1997年より東京大学大学院教育学研究科助教授・准教授、2007年より現職。専門は教育人間学。哲学、心理学、教育学に飽き足らず、キリスト教、仏教思想に惹かれ、神秘思想からも多くを学びつつ、「人間形成における宗教性・超越性の問題」について思想研究を継続中。
中井 珠恵(なかい・たまえ)
愛知国際病院 チャプレン。 1972年生まれ。関西学院大学(神学部)、関西学院大学大学院(旧約聖書学)に学ぶ。Graduate Theological Union (牧会学)に留学、MA取得。米国、カリフォルニアパシフィックメディカルセンター(カリフォルニア州)、クイーンズメディカルセンター(ハワイ州)、大津市民病院(滋賀県、大津市)を経て現職。現在、聖学院大学大学院(アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科博士後期課程)にて研究。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
第Ⅰ部
スピリチュアルコミュニケーション――生きる支え (林 章敏)
はじめに/緩和医療とは/スピリチュアルケアとスピリチュアルコミュニケーション /
スピリチュアルコミュニケーションの基本/スピリチュアルケアにおける大切な態度/終末期医療の中の大切なこと/
医学全体でのスピリチュアルケアおよび コミュニケーションの位置づけ
希望・尊厳・スピリチュアル――緩和ケアからのアプローチ (清水哲郎)
はじめに/スピリチュアルとは/生物学的生命と物語られるいのち/尊厳と希望/ おわりに――祈る姿勢
無心とスピリチュアリティ――日本的なスピリチュアルケアのために (西平 直)
はじめに/特別な意識としての「無心」/「無心」の多様な局面/無心とスピリチュアルケア
第Ⅱ部
スピリチュアルケアと自殺念慮者へのケア (窪寺俊之)
はじめに/自殺をめぐる問題意/スピリチュアルケアの視点/
スピリチュアルケアの特徴/スピリチュアルケアの効果/むすび
医療および看護学のスピリチュアルアセスメントの特徴と問題点――牧会ケアとの比較を通して (中井珠恵)
一 はじめに
二 看護学におけるスピリチュアル・アセスメントツール開発の背景
三 スピリチュアルアセスメントで把握されるもの
四 考察