神学と文学 : 言語を機軸にした相関性

編著者T・R・ライト著、
山形和美 訳
判型四六判
ページ数436 ページ
製本上製
発行日2009年07月
ISBN978-4-915832-81-9 C3098
定価5,500円(10%税込)
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内容紹介

本書はテレンス・R・ライト(Terence R. Wright)の主著『神学と文学』(Theology and Literature, 1988)の全訳である。人間の経験の中にある言語によって,人間の経験を超えた神を語りうるのか? この神学的アポリアに文学評論の立場から取り組む.物語の神学,隠喩的神学,劇の神学を俎上に載せ,聖書の言語がこれらの文学的表現を通して豊かに神を語りうることを明らかにする.

編著者プロフィール

T・R・ライトTerence R. Wright
1951年生まれ。オックスフォード大学でイギリス文学を学び、BA, MA, D.PHILを得たあと、ニューカースル・アポン・タイン大学で研究と教育に励んできた。本書が出版されたときは、同大学の講師であったが、現在は教授。

山形 和美(やまがた・かずみ)
1934年生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了、同博士課程中退。文学博士(筑波大学)。フェリス女学院大学教授、筑波大学現代学・現代文化学系教授、清泉女子大学教授、鶴見大学教授を経て、2009年3月まで聖学院大学大学院教授。筑波大学名誉教授。日本キリスト教文学会会長。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第一章 信仰の詩学に向かって
  神学と文学――創造的な緊張関係
  直写主義――共通の敵
  神学――言語の問題
  文学――指示機能の論点
第二章 聖書を文学として読むことについて
  聖書の文学批評
  創世記はどう読めるか
  マルコの物語の意味
第三章 語りの神学――信仰の物語
  語り、神話そして歴史
  宗教的自叙伝――神と自己を書く
  小説におけるリアリズム――形而上学からメタフィクションへ
第四章 隠喩的神学—信仰の詩
  隠喩の力学――形而上学的ウィット 
  象徴と秘跡――ロマン主義的想像力
  パラドックスと曖昧さ――近代のディレンマ
第五章 神学とドラマ—信仰と疑惑の行為
  典礼的ドラマ――ミサから神秘劇まで
  ルネッサンスの悲劇と宗教改革の神学
  不条理演劇――ベケットのコドー学

(別紙正誤表あり)