シリーズ | スピリチュアルケアを学ぶ6 |
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編著者 | 窪寺俊之 編著 |
判型 | A5判 |
ページ数 | 258 ページ |
製本 | 並製 |
発行日 | 2016年02月 |
ISBN | 978-4-907113-18-6 C0311 |
定価 | 2,530円(10%税込) |
在庫 | あり |
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内容紹介
ヴォーリズ記念病院ホスピス長の細井順氏による「いのちを育むホスピスケア――死にゆく人に生かされて」、栄光病院理事長・名誉ホスピス長の下稲葉康之氏による「死に対峙している魂の苦悩にどのように応えるか――ホスピスの現場から」、埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授大西秀樹氏による「がん医療の現場からみた心の問題」の3講演とケア実践者のアイデンティティとビジョンに関わる伊藤高章、窪寺俊之両氏の論文を所収。
ホスピスケアにおいてケアする者とされる者、その両者を支える力について学ぶ。
編著者プロフィール
窪寺 俊之(くぼでら・としゆき)
聖学院大学人間福祉学部教授(こども心理学科長)、聖学院大学大学院教授。 1939年生まれ。博士(人間科学、大阪大学)。埼玉大学卒業(教育学部)、東京都立大学大学院(臨床心理学)に学ぶ。米国エモリー大学神学部卒(神学)、コロンビア神学大学大学院卒(牧会学)。米国リッチモンド記念病院(ヴァージニア州)と淀川キリスト病院(大阪市)でチャプレン(病院付牧師)。イーストベイ・フリーメソジスト教会牧師(米国、 サンフランシスコ市)。関西学院大学神学部教授を経て現職。日本臨床死生学会常任理事、スピリチュアルケア学会常任理事、日本神学会会員、日本福音主義神学会会員、日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団評議員。
髙橋義文(たかはし・よしぶみ)
聖学院大学客員教授、聖学院大学総合研究所所長。 1943年生まれ。アンドリューズ大学大学院修士課程修了、東京神学大学大学院博士課程終了。神学博士(東京神学大学)。三育学院短期大学教授・学長、エモリー大学客員研究員、聖学院大学大学院教授を経て現職。
細井 順(ほそい・じゅん)
公益財団法人近江兄弟社ヴォーリズ記念病院ホスピス長。 1951年生まれ。1978年大阪医科大学卒業。自治医科大学消化器一般外科講師を経て、淀川キリスト教病院外科医長となった。その時に父親を胃がんのためにホスピスで看取り、それをきっかけにして1996年にホスピス医に転向。2004年、新たなホスピスの建設中に腎がんで右腎摘出術を受けた。2006年10月にホスピス棟は完成し、現在は、自らの体験を顧みつつ、「死の前では誰もが平等、お互いさま」という気持ちを大切にしながら患者とその家族に寄り添う医療を行っている。2012年にはヴォーリズホスピスを舞台にドキュメンタリー映画『いのちがいちばん輝く日――あるホスピス病棟の40日』(溝渕雅幸監督)が制作され、2013年2月から全国各地で公開された。日本緩和医療学会暫定指導医。
下稲葉 康之(しもいなば・やすゆき)
社会医療法人栄光会栄光病院理事長・名誉ホスピス長。NPO法人栄光ホスピスセンター理事長。久留米大学非常勤講師。 1963年九州大学医学部卒業。インターンを経て、1964年九州大学第二内科入局。1965年ボン大学へ留学し、帰国後、医師として勤務しながら、開拓伝道に従事する。1968年、香住丘キリスト福音教会を創設し伝道者として奉仕する。1980年より福岡県亀山病院勤務にてホスピスを担当、以来、末期がんの方々に対する全人的理解・ケアを目指し、温かいもてなしの心でケアに臨んでいる。香住丘キリスト福音教会協力牧師。
大西 秀樹(おおにし・ひでき)
埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授。 1986年横浜市立大学医学部卒。藤沢病院、横浜市立大学精神科講師、神奈川県立がんセンター精神科部長を経て、2006年4月埼玉医科大学精神腫瘍科教授。2007年4月より現職。専門領域は精神腫瘍学、死生学。患者遺族の心のケアを行う「遺族外来」を日本で初めて開設。日本サイコオンコロジー学会理事。
伊藤 高章(いとう・たかあき)
上智大学神学部教授、同大学グリーフケア研究所教育担当副所長。 1956年生まれ。1988年国際基督教大学比較文化研究科博士課程満期退学。1993年Church Divinity School of the Pacific Graduate Theological Union修了。2002~2003年度スタンフォード大学病院スピリチュアルケア部スーパーヴァイザー・イン・レジデンス。専門はキリスト教史学・スピリチュアルケア。日本スピリチュアルケア学会理事、臨床スピリチュアルケア協会教育担当副代表、International Council on Pastoral Care and Counselling会長。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
はじめに (髙橋義文)
第Ⅰ部
いのちを育むホスピスケア――死にゆく人に生かされて (細井 順)
はじめに/私のがん体験/ホスピスでの医療・ケア/
ホスピスでのかかわり方の基本/いのちについて/死にゆく人に生かされて
死に対峙している魂の苦悩にどのように応えるか――ホスピスの現場から (下稲葉康之)
はじめに/日々刻々と近づいてくる死を前提に/ホスピスとは何か/
スピリチュアルケアとは/スピリチュアルケアの実践/おわりに
がん医療の現場から見た心の問題 (大西秀樹)
なぜ、ケアは大切なのか/がんという言葉の意味するもの/
がんと精神科の病気の発症/なぜ精神症状に対応するのか/
限りある命を支える/「がんに負けない」の意味/
ご家族・ご遺族のケア/なぜ遺族ケアが必要か/おわりに
第Ⅱ部
スピリチュアルケアと信力の一考察 (窪寺俊之)
一 問題の背景と研究目的
二 「信じること」に関する先行研究
三 信と言葉
四 信の構造(信の対象、信と感情、信の深浅)
五 「信仰」の機能(特徴、構造、機能、成果)
六 「信頼」の機能(特徴、構造、機能、成果)
七 「自信」の機能(特徴、構造、機能、成果)
八 スピリチュアルケアと信力
九 結論――信力(信仰、希望)
スピリチュアルケアと〈他者論〉 (伊藤高章)
一 スピリチュアルケアの新たな動向
二 「一次元的」スピリチュアルケアの〈他者論〉
三 「二次元的」スピリチュアルケアの〈他者論〉
四 「三次元的」スピリチュアルケアの〈他者論〉
五 まとめ
【付録1】ザルツブルク宣言
【付録2】スピリチュアルケアの基礎文献表
あとがき (窪寺俊之)