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キリスト教思想
近代世界とキリスト教
近代世界の成立にキリスト教はどのような役割を果たしたのか.この問いに対して,ヴェーバーやトレルチなどの見解が提示されてきた.ポスト・モダンや近代の終焉が語られる現代において,プロテスタント・キリスト教が果たした役割について,時代遅れのものと見なされる傾向がある.現代ドイツ神学者のパネンベルクは,近代世界の成立とキリスト教の関係を積極的 に評価し,さらに現代のキリスト教の諸問題を明らかにしている. -
哲学・思想
正義:社会秩序の基本原理
正義とはなにか.実証主義と相対主義の中に国家や法の正義の理念は崩壊したのか.キリスト者として,スイス人として,ヨーロッパ人として,世界市民として,正義の原理を考察し,認識し,正義が共同社会の中で,いかに適用されるべきかを21 章にわたって論じる. -
キリスト教思想
パウル・ティリッヒ研究
ティリッヒは,バルトと並ぶ20 世紀の弁証法神学の巨匠であるが,本書は,存在論に基づく体系的な大著『組織神学』を中心に,1年間の共同研究をまとめたものである. -
社会科学
「宇魂和才」の説:21 世紀の教育理念
「和魂洋才」は,明治政府が富国強兵をめざしてとったスローガンだが,いまのグローバリゼーションの時代に,著者は戦後50 年を経た危機的閉塞状況から脱皮するには,「和魂洋才」に代えて「宇(宙)魂和才」でなければならぬとし,これに基づき21世紀の教育のあるべき理念を論ずる. -
キリスト教思想
ルター神学の再検討
宗教改革者M. ルターの神学は戦後,ルター派神学者たちのナチスへの協力などの事実からも,多方面から批判されてきた.著者は,ルター批判の妥当性を承認しつつも,その神学思想を原資料から読み直し,時代状況のなかから再検討した.一方で,ルター神学の本質と構造を解明し,他方でその思想が,文化多元主義社会,人権の確立,デモクラシー社会の形成などの現代的課題にどのような有効性をもっているかを明らかにする. -
教育・芸術・文学
キリスト教大学の新しい挑戦
東北学院大学,聖学院大学の場を基に,神学者の立場からプロテスタント・キリスト教大学の在り方を,その可能性と理念を説く. -
キリスト教思想
ユルゲン・モルトマン研究
モルトマンは,終末論に基づいた『希望の神学』等で知られる,チュービンゲン大学教授.本書は,組織神学研究会での過去1年間の研究発表をまとめた論文集。 -
社会科学
川口鋳物の技術と伝承
埼玉県川口市は鋳物の町として知られ,現在僅か数人の職人・鋳物師によって守られている.この伝統的な鋳物の技術と伝承を民俗学の見地から,現地での調査を中心にまとめたものである.鋳物の製作技術を図・写真で詳細に記録し,また彼らの伝承する生活や信仰の世界をも考察する. -
哲学・思想
イギリス・デモクラシーの擁護者A・D・リンゼイ:その人と思想
リンゼイは,E. バーカーと並ぶ20 世紀におけるイギリス政治哲学者の双璧で,オックスフォード大学の副総長もつとめたが,わが国では彼のイギリス・デモクラシー論については知られているものの,政治哲学の基礎にある学問の拡がりについてはほとんど知られていない.本書はリンゼイのひととなりと幅広い思想を多彩な執筆者によって紹介した初の研究書である.(平成9年度文部省科研費交付図書) -
外国歴史
イギリス革命とアルミニウス主義
イギリス革命期の急進的聖職者ジョン・グッドウィンは「しょく罪されたしょく罪」(1651 年)によって,カルヴァンの運命論的な二重予定説を批判した.その思想の中核にあった神の選びは万人におよび,その摂理は人間の自由意志と矛盾しないと説いた16 世紀オランダのアルミニウスの教説を詳説し,それがイギリス革命におよぼした影響を明らかにする. (平成9年度文部省科研費交付図書) -
哲学・思想
自由と結社の思想:ヴォランタリー・アソシエーション論をめぐって
アメリカの著名な神学者・社会倫理学者,ジェイムズ・ルーサー・アダムスの社会理論・社会倫理に関する主要論文集.本書が提起する問題は,「自由主義」と「自由主義的宗教」の再検討にとっても,現代の人間の自己理解にとっても,また人間と共同体,神と人間性,歴史と社会倫理の関係について展開されている学問的論争にとっても有効性を持つ問題である. -
教育・芸術・文学
キリスト教学校の再建:教育の神学 第二集
現代日本における多くの教育的課題の中で,キリスト教学校の教育的意義を神学,歴史学,教育学,思想史など,さまざまな領域の研究者が論ずる.