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聖学院大学研究叢書
近代日本精神史の位相 : キリスト教をめぐる思索と経験
近現代日本の〈思想家〉と目される存在と向き合ってきた著者の関心は一貫して、対象とする思想家の「論理」とともに、その論理を通底する世界――思想家をしてそのような営みをなさしめた、精神の原器とも言うべきもの――に注がれてきた。「思想史」ではなく「精神史」を冠するのは、その実りとして本書があるからである。第一部「新渡戸・内村門下への一視角」では、前田多門、南原繁と坂口安吾、松田智雄を、第二部「キリスト教受容の諸相」では、地方の一小学校教師、波多野精一、氷上英廣、井上良雄を、第三部「『近代の超克』とカトリシズム」では、吉満義彦を論じている。<A Theology of Japan>シリーズThe Church Embracing the Sufferers, Moving Forward: Centurial Vision for Post-disaster Japan: Ecumenical Voices
第二回東日本大震災国際神学シンポジウム「苦難に寄り添い前に向かう教会」(2013.3)講演集。東日本大震災国際神学シンポジウム「いかにしてもう一度立ち上がるか:これからの100年を見据えて」の第二弾。フラー神学大学院リチャード・J・マオ学長の講演、パネリストの発題、分科会・全体会報告等を所収。教派・教会を超えた支援の働きを振り返り、今後必要な教会およびキリスト者の姿勢を提言する。 The Church Embracing the Sufferers, Moving Forward continues the task of A Theology of Japan 6: Post-disaster Theology from Japan. The lectures and seminar reports included here are from the Great East Japan Earthquake Second International Theological Symposium held in March 2013 that marked the second anniversary of the earthquake, tsunami, and nuclear disaster. It begins with the keynote address by Fuller Theological Seminary President Richard Mouw, “Serving a Suffering Savior in ‘the Time of God’s Patience.’” In the panel discussion and seminars that followed, a variety of voices from within Japan reflect on and relate the experience of the church as it has dealt with the aftermath of the disaster and sought to take positive steps forward towards recovery and rebuilding. Topics include student volunteer work and the Christian university, Catholic Church volunteer bases, art therapy for pastors from the affected areas, support for children, Christian and Buddhist services for the dead, nuclear power and radiation contamination, and the role of the Japanese Self-Defense Forces.聖学院大学研究叢書ニーバーとリベラリズム : ラインホールド・ニーバーの神学的視点の探求
バラク・オバマ米大統領がその影響を受けていることを明言したことによって関心を集めることとなったニーバー。その思想の特質の明確化を試みる。神学的リベラリズムと政治的リベラリズムとの明示的・暗示的な取り組みを背景に、ニーバー特有の歴史との関係における超越的神学的視点を明らかにする。<スピリチュアルケアを学ぶ>シリーズスピリチュアルケアの実現に向けて :「第18回日本臨床死生学会大会」の取り組み
本書は2012年11月23日・24日に開催された「第18回日本臨床死生学会大会」(大会テーマ「スピリチュアルケアの実現に向けて――理論・実践・制度」)における4つのシンポジウムの内容をまとめたもの。収録された論稿は、スピリチュアルケアにかかわる多職種の方々によって、人生の危機にある人への温かいケアの実現に向かって知恵を出し合い、明日の臨床に役立つスピリチュアルケアが構築されること願って書かれている。臨床死生学研究叢書臨床現場からみた生と死の諸相
本書は、臨床現場において生ずる医療的問題は勿論のこと、それに付随する日常生活の問題、医療構造に関する事柄、死の不安や悲しみの中にある人々の心理的苦悩や宗教的な問題など、生と死をめぐる諸問題を、多様な職種の専門家が、自らの知識、経験、技術、信念に基づいて、解明しようとする論文を収めている。また、第Ⅲ部に、東日本大震災で教え子を亡くした教員とその教え子の遺族が文通することによって、双方が「グリーフケア」とは何かということを学び合った心の軌跡を描いた論文を所収する。<スピリチュアルケアを学ぶ>シリーズスピリチュアルコミュニケーション : 生きる希望と尊厳を支える
本書の副題「生きる希望と尊厳を支える」は、スピリチュアルケアの臨床現場での大きな課題です。第Ⅰ部の3論文は、聖学院大学総合研究所主催の講演をもとにまとめられたものです。林章敏「スピリチュアルコミュニケーション」では、臨床現場を視野に入れた具体的コミュニケーションの問題が、清水哲郎「希望・尊厳・スピリチュアル」では、希望と尊厳を支える基本となる人間のとらえ方が、西平直「無心とスピリチュアリティ」では、スピリチュアルケアを実践するための基本的姿勢(ゼロポイント)がわかりやすくまとめられています。第Ⅱ部に窪寺俊之「スピリチュアルケアと自殺念慮者へのケア」、中井珠恵「医療および看護学のスピリチュアルアセスメントの特徴と問題点」を所収。<A Theology of Japan>シリーズPost-disaster Theology from Japan: How Can We Start Again? Centurial Vision for Post-disaster Japan
This monograph series, A Theology of Japan, is an attempt to theologically critique problems that Japan faces. We do not consciously contextualize Christian theology into some uniquely “Japanese” way, but rather seek to deal with these issues from theological perspectives. In this volume, Post-disaster Theology from Japan, theological voices from Japan attempt to interpret and respond to the First Great East Japan Earthquake one year after the disaster. 第Ⅰ部には東日本大震災国際神学シンポジウム「いかにしてもう一度立ち上がるか――これからの100年を見据えて」発表論文を所収。<福祉の役わり・福祉のこころ>シリーズ「いま、ここで」のかかわり
石川到覚氏の「宗教と福祉」には、仏教における人間観、仏教福祉の援助にかかわる実践理念と仏教ソーシャルワークの再構築への試みが語られており、柏木昭氏の「特別講義 人間福祉スーパービジョン」は、40年以上にわたるグループスーパービジョンの継続・実践の経験に裏打ちされた内容。一見、異なる考察のように感じられるが、両者とも福祉における「いま、ここで」のかかわりについての考察である。共感から出発して寄り添い、協働していく福祉の姿勢が求められる。日本のキリスト教聖学院の精神と歴史
21世紀の国際政治において最も論争的な概念の一つといえる「保護する責任」。紆余曲折を経て、国際的に定着してきたものの、いまだその全体像や現在地は不明瞭なままである。本書が描き出すのは、単なる強制的な軍事介入や「人道的介入」といった側面にとどまらない「保護する責任」の射程、また、世界各地の地域的な文脈を背景とした多様な展開である。2017年に出版された『資料で読み解く「保護する責任」』の姉妹本となっている。<福祉の役わり・福祉のこころ>シリーズ生きがいを感じて生きる
101歳になっても生き生きと“生涯現役”を続ける日野原先生! 何が元気の秘訣なのか? 毎日を「生きがいを感じて生きる」ことこそが答えである。 前半の「なぜホスピスが必要か」は、2008年11月7日に、聖学院大学創立20周年記念講演会の一環として実施された講演をもとに、後半の「いのちの教育」は、2012年5月17日、人間福祉学部こども心理学科開設記念として講演されたものをもとにまとめられている。 本書には、自分の人生をしっかりと受け止め、人生を後悔しないための、また、世界の平和を築く人になるための人生の手本、模範が日野原重明先生によって示されている。多くの若者に自分の人生を考える刺激を与え、大人にも、自分自身の人生を振り返りながら、残された人生をどのように生きるかを考える機会を与える内容となっている。社会科学人間としての尊厳を守るために :国際人道支援と食のセーフティネットの構築
ヨハン・セルス氏は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)駐日代表として難民支援にあたっている。チャールズ・E・マクジルトン氏は、自ら日本の「困窮者」としての生活を送り、「セカンドハーベスト・ジャパン」というNPOを立ち上げ、食べ物を必要としている人々に食料品を提供する活動を展開。本書は人間の尊厳に立ち、人間の尊厳に向かう「当事者」として活動する2人の講演をもとにまとめられている。福祉・心理ソーシャルワーカーを支える人間福祉スーパービジョン
高齢化とそれに伴う医療需要の増加により,保健・医療・福祉の連携が要請され,地域包括支援センター,病院の地域医療連携室,さらに退院支援,在宅医療,在宅介護などを例にとっても,ソーシャルワーカーへの期待は高まっている。本書は「スーパービジョン」および「スーパーバイザーの養成」の重要性を明らかにし,ソーシャルワーカーを支援しようとするものである。投稿のページ送り